『ごめんね。一人にしてしまって』
その謎めいた声は、不思議な場所にこだました。そこでは、どの感覚も何ひとつ捉えることができない。ただ魂だけが、果てしない虚無の流れを漂っているかのようだった。それでも魂は、その声の源に触れたい、見つめたい、抱きしめたいと願っていた。けれど魂だけでは何も掴めず、手を伸ばすことも、呼びかけることも、見つめることすらできなかった。
『さようなら。いちばん愛しているよ』
あまりにも優しく温かなぬくもりが、その魂を包み込み、やがて静かに消えていった。あとに残ったのは、ただ独りで漂い続ける魂だけだった。
